エルヴィス・プレスリー没後30周年記念
エルヴィスが死んでからちょうど30年を迎えました。ケーブルテレビの映画専門チャンネルではエルヴィス特集が組まれ、小生もエルヴィスの出演作11本をまとめて観ました。
エルヴィスというと派手な衣装に大きなもみあげでラスベガスで歌うというイメージしか持っておらず、歌は上手いけどどうせ役者は大根だろうと思っていました。しかし実際に作品を観てみるとエルヴィスが俳優としての才能を誰よりも多く持っていることに気付きました。
以下、各映画の感想です:
1.ブルーハワイ
同名のカクテルが作られるほど大ヒットした作品です。しかし小生にはあまり面白く感じられませんでした。それはたぶんストーリーにハラハラドキドキさせるモノがなく、最後にエルヴィスと恋人が結婚というありふれたラストシーンだからでしょう。
(ストーリー)兵役から故郷ハワイに帰ってきたエルヴィスが、家には帰らず海辺の小屋で暮らし始め、ミュージシャンたちと歌って踊っての生活を始めます。エルヴィスが家に帰りたがらないのは、父の大農園を継ぐのが嫌だからです。そこでエルヴィスは恋人の勤め先の観光会社から観光ガイドの仕事をもらうのですが...
2.やさしく愛して(Love Me Tender)
エルヴィスの映画初出演作で、意外と知られていないかも知れませんがエルヴィスは主役ではなく名脇役です。4人兄弟の長男が主役で、エルヴィスは末っ子の役です。ラストシーンでLove Me Tenderが流れたとき、エルヴィスが恋人に愛してくれと歌っているのではなく、家族全員に愛してくださいと歌っていることがわかり、涙がこみ上げてきます。まさに本物のティア・ジャーカーです。
(ストーリー)南北戦争終戦間際、エルヴィスの長男は上官から北軍の給与輸送列車を襲って強奪する命令を受けます。作戦は成功し、エルヴィスの長男、次男、三男、残り兵士3人の6人が生き延びて上官のところへ戻ります。しかしそこに南軍の駐留部隊はいません。通りすがりの男たちに尋ね、南軍が降伏して戦争が終わったことを知らされます。そこで奪った金を6等分してそれぞれ故郷に帰りました。エルヴィスの長男、次男、三男が家に戻ると、まだ年齢が達していなかったので兵役を逃れたエルヴィスと、長男の恋人が結婚していました。彼女の家は北軍に襲われて彼女以外全員死んでしまったことと、長男の戦死通告書が届いていたため、母親が彼女を救うために結婚させたのでした。これによる長男とエルヴィスと彼女の間の三角関係に加えて、新政府(北軍)による現金強奪事件の捜査が始まります。捜査の一員は長男に「全額返せば訴追は行わない」と約束したので、長男は6等分した現金をかき集めるのに奔走します。この恋愛感情と金を騙し取られるのではないかという疑いの心が、ストーリーの縦糸と横糸となって展開していきます。
4.闇に響く声
エルヴィスが歌手役で出演し、ステージシーンも多いので、彼のステージパフォーマンスを楽しむには最適の作品の中のひとつではないでしょうか。
(ストーリー)母を亡くし父は失業者で、姉の仕事で何とか生計を立てているエルヴィスの一家。エルヴィスは高校に通いながら、早朝にパブの掃除夫のバイトをしています。高校卒業の朝店に行くと、その街のギャングのボスの囲い女と手下たちが朝まで飲んでいて、エルヴィスに「バンドがいねえんならおまえ何か歌えよ」と絡んできます。エルヴィスは高校の校歌を歌って客の機嫌をとりますが、ギャングたちは女に絡むのを止めようとしません。そこでとうとうエルヴィスが女と一緒に逃げ出してしまい、タクシーで高校に向かいます。高校ではエルヴィスが遅刻してきたことと、何よりもギャングの女と一緒に登校してきたことを問題視し、エルヴィスを留年させます。エルヴィスは夜はキング・コーラルという街の中で唯一ギャングの支配から逃れているキャバレーでも掃除夫をしています。そこにギャングのボスが客としてきて、手下からエルヴィスの歌が上手いという話を聞いていたので、エルヴィスに恥をかかせるためにエルヴィスに一曲リクエストします。ところがステージに掃除夫の格好のまま上がって歌ったエルヴィスの歌があまりにも素晴らしいので、観客はやんややんやの大拍手、キング・コーラルのオーナーはすぐにエルヴィスと出演契約を結びます。しかしギャングのボスはエルヴィスを自分のキャバレーに出演させようとして、あの手この手の汚い手を使ってエルヴィスの引抜を試みるのですが...
5.カリフォルニア万才
エルヴィスが3人のバンドマンと一緒に車で移動しながら各地でライブをするという内容で、これも彼のステージパフォーマンスを楽しめる作品です。エルヴィスは3人の女性から愛され、3人それぞれの恋人から嫉妬をうけます。でもラストシーンではみんなをハッピーにし、自分はバンドマンとして自分の道を進んでいくという、まるで日本の時代劇が人々を幸せにして主役は自分の道を進むというパターンとそっくりです。だからラストシーンには感動があります。
(ストーリー)バンドのボーカルでもあり、最強の自動車レーサーでもあるエルヴィスがある町でライブを終えた後、ある紳士から「娘のために一晩一曲だけでいいからうちに来て演奏をして欲しい。ギャラは5000ドル出すよ。」と持ちかけられますが、その話を断わります。実はその紳士は自動車会社の社長で、自社の新開発車にエルヴィスを乗せてレースで優勝させ、大広告にしようというのが狙いです。紳士と娘はあの手この手でエルヴィスたちが町から出て行くのを妨害し...
6.キッスン・カズン
エルヴィスが米軍の兵士とその親戚の男のひとり二役を演じる作品です。この作品もエルヴィス自身ではなく周りの人たちをみんな幸せにするというエンディングです。
(ストーリー)エルヴィスは上官からある田舎の山を所有者から借り受ける交渉を成功させるように命令を受けます。その山にはICBM(大陸間弾道ミサイル)の基地を建設する計画があるからです。エルヴィスは「私服で交渉に当たらせて欲しい」と条件を出します。エルヴィスと制服を着たままの上官と兵士たちが軍用トラックでその山に辿り着くと、いきなりライフルで発砲を受けます。エルヴィスが白旗を振りながらひとりで近づいていくと、なんとその山の所有者の息子とエルヴィスが生き写しなのです。事情を話すと実はエルヴィスは山の所有者と親戚だったのです。それが功を奏して部隊は山に入る事が許され、山の所有者と上官の交渉が始まるのですが、山の所有者は古き良き時代のアメリカを生きてきた、非常に保守的な田舎者でICBMの意味などわかるはずもなく...
7.嵐の季節
荒くれ者のエルヴィスを精神分析医の女性が支え、立ち直らせるというストーリーです。誰でも若いときは反抗したいものです。それを真正面から受け止め、本当の苦しみを理解をし、未来への希望へと紡ぎ出していくという内容の素晴らしい作品です。
(ストーリー)エルヴィスは父と兄と仲が悪く、ある日兄と殴り合いのけんかをして大怪我を負わせます。検察ではエルヴィスに殺意があったと主張するものもいましたが、なんとか親戚の酒屋で仕事をまじめにすることと、精神分析医に定期的にメンタル・ケアを受ける条件で仮釈放になります。しかしエルヴィスの他人に対する不信感はなかなか払拭されず...
8.青春カーニバル
エルヴィスが演じるのは、ギター1本抱えてバイクで気ままに一人旅をしては、そこかしこの町でライブをして日銭を稼ぐ放浪のミュージシャンです。それがひょんなことでメチャクチャ頑固で保守的なサーカス(カーニバル)の社長の仕事を手伝うことになり、二人は顔を会わせるたびに大喧嘩になります。自由気ままな若者と、古い考えのオッサンとの衝突と和解を描いた作品です。サーカスでのエルヴィスのライブパフォーマンスも見所です。
(ストーリー)エルヴィスがある小さなサーカス会社の頑固で保守的な社長と出会い、その社長の娘との恋を許す許さないの大喧嘩になります。母親はエルヴィスの歌の魅力を見抜き専属歌手として契約をするのですが、社長がそれを許すわけもなくまた大喧嘩に。でもその弱小サーカス団は倒産の危機に瀕していて、人気歌手のエルヴィスが必要なのですが...
9.アカプルコの海
タイトルから想像される通り、エルヴィスがラテンを歌いまくります。助演を努めた子役の演技が光ります。
(ストーリー)アカプルコで仕事を首になったエルビスが、靴磨きのみなしごの少年に紹介されて大ホテルの歌手として雇われます。そのホテルのプールの監視員は高飛び込みのチャンピオンで、なんくせエルヴィスにいやみを言ってきます。エルヴィスは高飛び込みの練習を始めます。その理由は彼の悲しい過去に...
10.ガール!ガール!ガール!
エルヴィスが「海の男の色気」をかもし出しています。海の男の色気といえば日本では加山雄三以来なく、アメリカ映画でもエルヴィス以降はないんじゃないでしょうか。名曲「リターン・トゥ・センダー」が聴けます。
(ストーリー)エルヴィスが船長として働いていた釣り船会社の社長が、病気療養のため会社を閉め、所有する船を全部売り払うことになりました。エルヴィスが乗っていた船は、エルヴィスの父とエルヴィスが一緒に造った船で、エルヴィスにとってとても愛着があり、何とか買い戻そうと金を稼ぐのに努力するのですが...
11.ゴー!ゴー!ゴー!
沈没船の財宝を見つけたエルヴィスが、それを引き揚げようと奔走します。当時若者の間で流行った「ビートニクス」という芸術運動が出てくるのが興味深いです。ラストは結局「金よりも大切なものがある」で締めくくられます。
(ストーリー)海軍退役直前のエルヴィスが、最後の任務として機雷の除去を行います。機雷の信管を抜く作業をしている時、エルヴィスは海底に沈没船があるのを見つけます。沈没船の中には財宝箱と思われる箱が。エルヴィスは退役後財宝箱の引き上げを計画するのですが、そこにライバルがあらわれて財宝箱を横取りしようと...
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コメント
soni様、こんばんは。
私も17,8年ぶりにエルヴィスの映画を見て改めて、彼はすばらしいなと思いました!歌もさることながら、ちょっとした表情も表現力が素晴らしいです。もっと多くの方にエルヴィスを知って欲しいです。
詳しいレビューをありがとうございました。
持っているビデオもまた見直そうと思います!
投稿: れんこ | 2007/08/28 18:51
soniさん、コメントありがとうございました。
映画では、個人的には「Love Me Tender」「監獄ロック」が好きです。
まだ見ていない映画も多いので、参考にさせて頂きます。
投稿: Happystar | 2007/08/28 20:21